不動産投資初心者の基礎知識

イールドギャップとは?不動産投資の目安はどれくらい?

・イールドギャップって何?

・なぜ重要なの?

・目安は何%ぐらい?

こんな疑問に答えていきます。

不動産投資を始めようと勉強しているとさまざまな専門用語に出くわしますが、「イールドギャップ」という単語も普段はめったに聞かない言葉の一つです。

イールドギャップを知らなくても投資を始めることはできますが、知っていると気になる物件に「投資すべきか」「見送おくるか」を素早く判断できるようになります。

投資すべきでない物件を早々に対象から外すことができるようになれば、調査に使う時間やコストが節約できるようになります。

ここでは、イールドギャップの計算方法や目安の数値について解説していきます。星の数ほどある物件の中から、確実に収益のある物件を選べるよう、ぜひ知識を身に着けてください。




イールドギャップ(YG)とは?

イールドギャップは直訳すると「利回りの差」です。以下の式で計算します。

YG=全額自己資金の場合の利回り(FCR)-ローン定数(K%)

FCR=営業純利益(NOI)/(自己資金(E)+借入(LB))

で計算します。

NOI=満室時の家賃収入-空室損-運営費

です。

K%は借入に対する返済額の割合です。

K%=銀行返済(ADS)/借入(LB)

で計算します。

例えば、満室時の家賃収入が1000万円、空室損が150万円、運営費が150万円、物件価格が9000万円、購入時の諸経費が1000万円の場合。

NOI=1000-150-150=700万円

FCR=700/(9000+1000)×100%=7%
となります。

9000万円の借入で、年間500万円(30年、2.2%)の返済だとすると、

K%=500/9000=5.6%
イールドギャップ=7-5.6=1.4%

となります。

これがもし、融資期間20年で年間の返済額が650万円になるので、

K%=650/9000=7.2%
イールドギャップ=7-7.2=-0.2%

となってしまいます。




一般的に言われているイールドギャップとは?

よくイールドギャップの事を、表面利回りと金利の差で表現されている方がいます。

イールドギャップ(%)=投資物件の表面利回り(%)-不動産投資ローンの金利(%)

 

例えば、物件価格9,000万円で年間家賃収入が1000万円の物件だと表面利回りは11.1%になります。これを銀行から金利2.2%のローンを組んで購入した場合、差の8.9%がイールドギャップということになります。

一見、イールドギャップが高いので良さそうに見えるのですが、この考え方だと融資期間の概念が漏れてしまうので注意が必要です。

融資期間が10年でも30年でも金利は2.2%で変わらないとすると、イールドギャップは9%ぐらいとれますよね。

ですが、実際に返済の事を考えると融資期間20年だと赤字になってしまいます。

また、利回りについても、諸経費も含めてどれくらいかかるのか?実際の利益はどれくらい出るのか?を考えておかなければ、購入してから支出が多くて赤字になってしまうこともあります。

表面利回り11.1%でギリギリ回る物件だと、実質利回りで0.1%でも下がると赤字になってしまいます。

イールドギャップを考えるには、「投資の実態」と「融資期間」という概念も合わせて検討をする必要があります。

イールドギャップの目安とは?

イールドギャップの目安は、2~3%を目安にされている投資家さんが多いように感じます。

実際は資産背景や投資目的によって変わってきます。

キャピタルゲイン狙いで、すでに潤沢なキャッシュフローがあるのであれば1%代でも検討する価値はあるでしょう。

インカムゲイン狙いであれば、イールドギャップはもっと高くないと満足できないかもしれません。

あくまで目安として、自分がやりたい投資スタイルに合わせて目線を決めていくのが良いかと思います。

イールドギャップの推移とは?

イールドギャップは、その時々の長期金利の影響を強く受けます。

バブル期においては、不動産の表面利回りが2~4%に対して住宅ローンの変動金利は最大8.5%でした。イールドギャップがマイナスという時代もあったのです。




長期金利の推移

出典:https://myhome-fpft.jp/homeloan/337

バブル崩壊後は金融の引き締めに伴い、不動産価格は急激に値下がりしていきます。その結果、不動産投資家の目的もキャピタルゲインからインカムゲインに変化し、利回り10%以上の物件が投資対象となります。

2000年以降、資産流動化法が制定され、不動産投資は資産家だけのものではなくなってきます。

大型ビルの建て替えや賃貸マンションの着工件数の増加で、再びミニバブルのような状況になりますが、ここ20年ほどは利回りも下がり傾向にあります。

最近は築古の高利回り物件は修繕などのコストが掛かるため、低い利回りでも築浅の物件を求める投資家も増えています。利回りの平均は8~9%とほぼ横ばいです。

下記のグラフは最近の1棟マンションとアパートの表面利回りの動向です。

出典:https://www.rakumachi.jp/news/news/124520

出典:https://www.rakumachi.jp/news/news/128408

世界のイールドギャップとは?

日本で今これだけ不動産投資熱が過熱しているのも、マイナス金利政策の影響を受け、イールドギャップが高いからだと言えるでしょう。

世界各国のイールドギャップはどのくらいなのでしょう。ニッセイ基礎研究所のこちらの資料を参照称してください。

http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=54427&pno=4?site=nli

各国の実物不動産取引利回りの平均値と長期金利の差を見てみると、最も大きいのはドイツで、次いでカナダ,フランス、スウェーデン、日本となります。

西欧各国と日本は、アメリカやオーストラリアよりも長期金利が低水純なため、イールドギャップが大きい状況にあります。世界中で不動産投資が活況なのもうなずけます。

しかし、今後もこの状況が長く続くとは考えられません。各国の金利が上昇しギャップが縮小されることが確実となれば、不動産への資金流入は抑制されるでしょう。

日本の場合、デフレ脱却までは金利上昇しないだろうとの楽観的な予想もありますが、西欧諸国のどこかで金利が上がれば連動する可能性は大いにあり得ます

金利上昇と連動して利回りの上昇も期待できますが、それは決して全国規模ではなく、需要の高い都市だけとの見方もあります。

今後はある程度の金利上昇を織り込んだ上で、それでもイールドギャップの出る物件を選別する必要があるでしょう。




まとめ

不動産投資において-イールドギャップとは、次の計算式で表すことができます。

イールドギャップ=全額自己資金の場合の利回り(FCR)-ローン定数(K%)

2~3%程度を目安にされている投資家さんが多いように感じますが、目的によって目線は変わってきます

ただ、1%を切ってくるとかなりリスクも高くなるので、注意をするようにしてほしいと思います。

イールドギャップはあくまでも「投資物件を判断する指標」です。

これだけで投資判断をするのではなく、他の指標も合わせて判断をするようにしてください

また、イールドギャップは長期金利と連動するため、今後の金利動向について、日本以外の各国の動きにも敏感になる必要があります

今後金利は上昇局面に入ると予想されています。ある程度の金利上昇を織り込んだ物件選びをするようにしてくださいね。


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