不動産の購入・売却にかかる諸費用って何?
少しでもお得にするコツは?
ここでは、こんな疑問に答えていきます。
不動産の購入・売却にかかる諸費用を知ることで、儲かるのかどうかをより正確に判断することができるようになります。
諸費用への知識が不足していた為にあまいシミュレーションをして失敗することをさけましょう。
不動産投資の「諸費用」ってなに?

諸費用とは、物件を購入したり、売却したりするときにかかる費用です。
不動産仲介業者や司法書士、銀行に支払ったり、税金として納めたりする必要があります。
物件価格だけで購入を考えて、諸費用をしっかり見積もっていないと、お金が足りなくなってしまいます。
特に税金は購入後、半年以上経過してから請求が来るので、驚くことがないようにしましょう。
なぜ「諸費用」を考えなければならないの?

総投資額は物件価格と諸費用を合わせた金額になります。
実際の利回りを計算したり、安全な投資かどうかを判断したり、投資全体としていくら儲けたのかを正確に分析したりするには、この総投資額で考える必要があります。
物件の購入時にかかる諸費用とは?

-仲介業者への仲介手数料
物件価格が400万円以上の場合は、物件価格の3%+6万円+消費税がかかります。
不動産仲介業者を挟まずに、売主と直接売買する場合はこの費用はかかりません。
-登記費用
登録免許税(所有権移転登記・抵当権設定登記)と司法書士手数料がかかります。
1登記あたり司法書士手数料を含めて3~5万円程度です。
多くの場合、所有権移転登記と抵当権設定登記の2登記が必要で、その場合6~10万円程度かかります。
税率や軽減措置は国税庁のHPで確認できます。
登録免許税を計算する場合の基準となるのは「固定資産税評価額」になります。
これは売主に確認するか、全国地価マップで調べることができます。
建物ついては「法務局館内新築建物課税標準価格表」がありますのでこちらから調べることも可能です。
-不動産取得税
不動産を購入して取得した際に支払う必要がある不動産取得税は、土地評価額×1/2×3%と建物評価額×3%がかかってきます。
どちらもあくまで評価額からの計算で、購入額とは異なりますので注意して下さい。
取得後6ヶ月~1年半後くらいに各都道府県から納税通知書が届きます。
-印紙税
物件の売買契約時の契約書や銀行から融資を受ける時の金銭消費契約書等、契約書類に対しては印紙税がかかります。
例えば5千万円~1億円の不動産の売買契約書であれば、印紙税額は3万円です。
-固定資産税などの清算金
不動産を所有している人が支払う固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点の所有者に対して1年分が課税されます。
通常、1年間のうち買主が不動産の所有者になる日数分を日割り計算して、買主が売主に精算金として支払います。

-銀行の事務手数料
銀行から融資を受ける際には、銀行の事務手数料を支払うケースがあります。
銀行によって様々です。融資額の数%とするところもあれば、1回の融資に対して一律で金額を設定しているところもあります。
-保険関係の費用
保険関係の費用として、火災保険や地震保険などが必要になってきます。
-初期修繕費用
中古の建物を購入した場合では、始めに修繕が必要なケースがあります。外壁塗装やリフォームの費用などです。
-修繕積立金
新築の区分マンションの場合、購入時に修繕の積立金を求められる場合があります。
-水道加入金
新築一棟の場合は、水道メーター数分の水道加入金が必要になります。
金額は自治体によって異なりますが、10~20万円程度かかりますので注意してください。
-その他
その他必要に応じてかかることがありますので仲介業者や売主に良く確認しておきましょう。
購入時の諸経費はざっくり7~9%

以上の購入時の諸経費は、ざっくりと売値の7~9%として計算されることが多いです。
都心部であれば7%程度ですが、地方の物件は不動産取得税などが多くかかる為に9~10%になります。
9%程度で見積もっておくと保守的だと思います。
売値が3000万円の場合の諸費用総額は概算で270万円。売値が1億円のマンションの場合は900万円程度です。
詳細に検討する時には、各項目をしっかりと計算するとよいでしょう。
物件の売却時にかかる諸費用とは?

-仲介手数料
仲介手数料は購入時と同様です。
-抵当権抹消登記費用
抵当権抹消登記費用は司法書士手数料含めて1登記あたり1.5~3万円程度です。
-印紙税
印紙税も購入時と同様です。
-ローンの繰上返済手数料
売却時に融資の残債がある場合は、繰延返済手数料がかかる場合があります。
繰延返済額の1%などです。
これは購入時の金銭消費契約の際に確認しましょう。
-譲渡所得税
不動産の売却時に譲渡益がある場合は、譲渡所得税がかかります。
個人の場合は、不動産の保有期間が5年を超えると譲渡益の20%、5年以下の場合は39%となります。
法人の場合は、保有期間にかかわらず法人税率が譲渡益に対して適用されることになります。
注意が必要なのは、物件の保有期間中に減損した減価償却費用が売却時の譲渡益に含まれることです。
保有中に減価償却をしまくっていると、売却時に譲渡所得税として跳ね返ってくることがあります。
-処分費や解体費
建物内に残置物がある場合はその処分費用、建物の解体が必要になる場合は解体費用が必要になる場合がありますね。
-測量費用
土地の区画がきちんと図られていない場合は測量士にお願いして測量をする費用がかかることがあります。
売却時の諸経費をざっくり計算するには?

売却時の諸費用はだいたい4~5%となることが多いのですが、税率によって全然変わってくるのでちゃんと計算をするのが無難です。
三菱UFJなど、ネットで簡易計算できるサービスを提供していますので利用して見ましょう。
少しでも節約するには?

諸費用を少しでも節約するには、交渉・相見積もり・知識マッチョということに尽きます。
交渉で仲介手数料3%を2.5%にしてくださいとか、登記費用の司法書士報酬は相見積をとって比較してみるとかです。
あとは知識や相場観が無いとどうしても足元を見られてしまいます。
知識をつけて自分の身を守れるようにしましょう。

ただし値引き交渉などをやりすぎると相手にされなくなるので要注意です。
業者や司法書士などは不動産投資家にとってはパートナーです。
都市部ならまだ良いのですが、地方でパートナーの数が限られている場合は、関係が悪化してしまうと、今後やりにくくなってしまいます。
極力お互いがWin-Winになるような関係を築くようにしましょう。
まとめ
今回は不動産投資の諸費用について纏めました。
投資の全体の判断をする為には、物件価格だけではなくどれくらい諸費用がかかるのかも理解しておかないといけません。
それも踏まえて、投資効率や安全性を見ていくことになります。
ざっくりと購入時には7~9%程度、売却時には4%程度以上がかかる計算でよいですが、購入・売却を具体的に進めていくときには諸経費の項目ひとつひとつをちゃんと計算していくとよいでしょう。
今回は以上となります。
お疲れさまでした^^