マンションの耐用年数はRCとSRCで違う?

減価償却はどうやって行うのか?

マンションの寿命は?

 

サラリーマンが本業と平行して不動産投資を行うのなら、RC造のマンションがお勧めだとよく言われる。木造などに比べて手入れが必要ないため、片手間でも管理しやすいという点もあるが、最大の理由は、法定耐用年数が長いため、金融機関から融資を引き出しやすいという点だろう。

業者もそれを心得ており、サラリーマンに不動産投資への参入を積極的に勧めてくる。その時、減価償却を利用した節税をセールストークにする業者も多いので、耐用年数や減価償却の仕組みについて知識を付けておかないと、とんでもない物件を掴まされてしまう事もある。

 

ここでは、マンションのRC造とSRC造の違いや法廷耐用年数、そして減価償却の具体的な計算方法について解説していく。減価償却の仕組みをしっかりと理解し、投資戦略を練る上での手助けとしてほしい。

 

マンションはRC造とSRC造に分かれる?違いとは?

一戸建てや2階建てのアパートでは木造や軽量鉄骨造が圧倒的にシェアを占めているが、3階建て以上のマンションなどでは丈夫な鉄筋コンクリート造が主流となる。

鉄筋コンクリートにも、RC造、SRC造の2つの構造があるが、一体何が違うのだろうか。

RC造

RC造はReinforced-Concreteの略で、「鉄筋コンクリート構造」のことである。

コンクリート製の柱や梁の内部に、直径1~2cm程度の鉄の棒が組み込まれており、強度を保っている。それ故、木造や軽量鉄骨造に比べ、耐震性や耐久性があり、防音性や耐火性にも優れている。

気密性や断熱性も高く省エネ効果も高いのだが、逆に結露が発生しやすい。

また、建物自体の重量が重く地盤の強化などが必要であるため、木造などに比べて建築コストが高くなる。

SRC造

SRC造はSteel Reinforced Concrete の略で、「鉄骨鉄筋コンクリート構造」の事である。

鉄筋コンクリート構造の柱や梁の内部にH鋼と呼ばれる鉄の芯を組み込む構造となっており、この鉄の芯を囲うように鉄筋を組み上げ、そこにコンクリートを流し込んでいく。

RC構造よりも鉄骨を多く配置するため柱の断面を細くすることが可能であり、かつ、鉄骨と鉄筋を組み合わせることで更に耐震性が高くなる。鉄骨をコンクリートで覆うため、鉄骨造の、熱や錆びに弱いという弱点もカバーしている。

しかし、建築工程が複雑で工期が長期化するため、どうしても建築コストが高くなる。

RC造とSRC造の違い

RC造とSRC造の違いを以下にまとめてみた。

 RC造  SRC造
 構造  鉄筋+コンクリート  鉄筋+コンクリート+鉄骨
 耐震性    
 耐火性    
 耐久性    
 防音性    
 防湿性    
 建築コスト  高い  更に高い

 

高層マンションは、耐震性の高いSRC造で建てられることが多かったが、最近はRC造の耐震技術も進歩しており、コスト面で有利なRC造の物件が増えている。

 

国税庁が発表しているマンションの耐用年数は47年?

RC造もSRC造も住居用なら、法定耐用年数は同じ「47年」だ。耐久性にほぼ違いがないのだから当然と言えば当然だ。だがこの47年という数字は建物の寿命を表しているわけではない。

実際、昭和26年当時は、鉄筋コンクリート造の建物の耐用年数は75年であった。戦後の混乱期に75年だった耐用年数は、昭和41年に65年に、平成10年に47年に短縮された。なぜ短縮されたのか根拠は不明だが、税収確保のためではないかと言われている。

 

しかし、実際には寿命を迎える前に取り壊される物件も多く、取り壊された建物の平均年数は37年といわれている。この数字は、あくまでも取り壊された物件だけを集計したもので、50年以上経過しても現役の建物は多く存在する。

 

マンションの減価償却の具体的な計算方法とは?

 

ここからは、物件を所有した後の減価償却について、具体例を提示しながら解説していく。

減価償却とは?

1年間の売上から経費を引いたものが所得となり、それに税率を掛けて納税する。これが一般的な会計なのだが、長年使用できるもので金額の大きいもの(資産)を購入した時は、バランスを欠いてしまう。

全額を経費として計上してしまうと、その年だけ大赤字となってしまい、その年以降は経費計上できないため所得がアップしてしまうからだ。

 

そこで、それらの資産の購入金額を、利用可能期間(法定耐用年数)で按分し、それぞれの年の経費とする。この事を減価償却と呼び、按分された金額を減価償却費と呼ぶ。

減価償却費は、あくまでも計算上の費用であり、実際にその年に発生した支出ではない。「手元からお金は出ていかなくても発生する費用」ということになる。

お金を使わずに利益を圧縮できるため、減価償却は節税に効果を発揮するのだ。

減価償却が出来る費用項目は?

全ての資産が減価償却できるわけではない。減価償却できるものの対象は決まっている。減価償却の対象となるのは「固定資産」と「繰延資産」と呼ばれるものである。

例としては、建物及び付属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両、運搬具、工具、器具、備品、各種権利、家畜、果樹等だ。

 

国税庁はそれぞれに耐用年数を決めている。しかし上記に該当するものでも、使用可能期間が1年未満のもの、又は取得価格が10万円未満のものは、減価償却の対象とならない。これらは、取得した年に経費として全額計上する。

また、土地、借地権、電話加入権、書画骨董も減価償却の対象とはならない。

マンションの減価償却の方法は2つ

減価償却の計算方法は、「定額法」と「定率法」の2つのやり方があり、マンションの場合、以前はどちらかを選択できた。しかし、平成28年4月1日以降に取得したマンションは、定額法しか認められていない。(建物本体及び建物設備ともに)

定額法

定額法とは、減価償却の対象となる金額を耐用年数にわたって、毎年同じ額を配分していく方法である。1年目から最後の年まで減価償却の金額は変わらない。

定率法

毎年一定の割合で減価償却費を計算する方法で、耐用年数の初期に多額の減価償却費を計上でき、その後は年々、減価償却費に計上できる金額が減少していく。

定額法でも定率法でも最終的に計上できる金額は同じになる。

マンションの減価償却方法

マンションを購入した場合、建物のみが減価償却の対象となり、土地部分は減価償却できない。これは、減価償却の対象が「劣化が生じるもの」と限定されているからであり、劣化しない土地は対象外となるためだ。

建物の評価額が分かったら、さらに「建物躯体(本体)」と、電気設備や給排水設備などの「建物設備」に分ける。建物の法定耐用年数は47年だが、設備部分の耐用年数15年と短いからだ。

マンションで減価償却できる費用を見極める

総額で1億円投資してRCマンションを1棟購入しても、減価償却できるのは建物部分のみだ。

まずは、土地部分と建物部分に按分しなければならない。土地評価額と建物評価額が売買契約書に記載されていれば、その金額に従う。しかし記載されていない場合は、次のいずれかの方法で按分する。

  • 譲渡時における土地及び建物のそれぞれの時価の比率による按分
  • 相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分
  • 土地、建物の原価(取得費、造成費、一般管理費・販売費、支払利子等を含む)を基にした按分

 

法律上決まった按分方法というものは無い。税務署に「合理的」に按分出来ていると認められればOKである。

建物の価格が分かったら、さらに本体と設備部分に分ける。新築の場合は、建物評価の内訳が明記されている事が多いため、簡単に区分できる。しかし中古マンションの場合、区分が難しいケースが多い。どうしても区分出来ない場合は、設備を建物本体に組み込んで計算するしかない。

マンションの減価償却方法を決める

平成28年4月1日以降に取得したのであれば、建物本体も設備も定額法しか選択の余地は無い。

それ以前に取得した物件は、

  • 建物本体・・・定額法のみ
  • 設備・・・・・定額法か定率法を選択できる。

 

ただし定率法を選んだ場合は、確定申告の時に届け出書の提出が必要となる。

マンションの減価償却ができる利用耐用年数を算出する

マンションを中古で購入した場合、築年数が法定耐用年数を超えているかいないかで計算が異なる。

築年数が法定耐用年数を超えている場合

耐用年数 = 法定耐用年数 x 20%

 

■築50年のマンションの場合、

  • 建物本体・・・47x20%=9年(端数切り捨て)
  • 設備・・・・・15x20%=3年

築年数が法定耐用年数を超えていない場合

耐用年数 = 法定耐用年数 - (築年数x80%)

 

■築10年のマンションの場合

  • 建物本体・・・47-(10x80%)=39年
  • 設備・・・・・15-(10x80%)=7年

■築30年のマンションの場合

  • 建物本体・・・47-(30x80%)=23年
  • 設備・・・・・15x20%=3年

マンションの減価償却費を計算する

耐用年数が分かったら、国税庁のHPにある「減価償却資産の償却率表」から、償却率を確定する。例えば23年だったら、償却率は0.044となる。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070914/pdf/06.pdf

【実例紹介】具体的な計算は?

では実際に次の事例で計算して見よう。

  • 築20年3ヶ月
  • 建物価格・・・4,000万円
  • 建物設備・・・300万円

 

1.耐用年数と償却率を調べる。

築20年を1月でも超えれば、端数切り上げとなるため、築21年で計算する。耐用年数と償却率は次の通り。

  • 建物本体・・・47-(21x80%)=30年・・・・(償却率 0.034)
  • 設備・・・・・15x20%=3年・・・(償却率 0.334)

 

2.減価償却費を計算する

減価償却費は、次のようになる。

  • 建物本体・・・4,000万円x0.034=136万円
  • 設備・・・・・300万円x0.334=100.2万円

 

最初の年は計算が大変だが、2年目以降は同じ金額を計上していけばよい。

 

減価償却費が大きすぎると売却時の税金で損をする!?

減価償却費を大きく取ることが出来れば、所得を圧縮することが出来るので、節税に繋がる。減価償却を大きくするためには、次の2つのポイントを押さえれば良い。

  • 売買価格の建物割合を多くする
  • 建物設備の割合を多くする

 

しかし減価償却費が大きすぎると、売却時の税金で損をすることがある。

マンションを売却したら「課税譲渡所得」を計算し、譲渡益が出ればそれに課税される。課税譲渡所得は以下の計算式で算出される。

課税譲渡所得 = 譲渡価格(売却価格) - 取得費 - 譲渡費用

 

譲渡費用とはマンションを売却した際の仲介手数料や売買契約書に貼付けした印紙税等の費用の事だ。

ここで注意しなければならないのが「取得費」だ。取得費は単純にマンションを購入した時の価格ではない。減価償却後の価格となるのだ。

それまでに減価償却費を大きく取っていたら、当然取得費は小さくなる。その結果、譲渡所得が大きくなり、税金を多く払わなければならなくなる。

目先の節税だけでなく、トータルで見て損をしないよう、細かく調整していく必要がある。

 

減価償却をエサにした詐欺に要注意!

最近、次のようなデタラメなセールストークで営業している業者がいる。

15年で減価償却を終わらせて、そのタイミングで弊社が買い戻します。お客様は家賃収入の他に税金の還付も受けられるので、絶対に損はしません。

所有している間、空室にならなければ家賃収入は手に入るし、節税も出来るだろう。減価償却が終わり、節税効果が無くなる時点で買い戻してくれるなら、何も損することは無い。

しかしこの話、減価償却についての知識があれば、おかしな点がたくさんあるのですぐに見破れるはずだ。

  • 償却期間15年の根拠は?
  • 15年後にいくらで買い戻してくれるのか?
  • 減価償却をそんなに大きく取って、売却の時に譲渡所得に課税されないか?

 

結局、買いたたかれるのがオチだし、最悪な場合、15年後に業者自体が存在しない可能性もある。

減価償却は複雑で分かりづらい側面があるため、知識がないものは悪徳業者の格好のカモになりやすい。売却までの出口戦略を含めて、よく勉強してほしい。

 

マンションって何年くらい持つの?

マンションの法定耐用年数は47年だが、丁寧にメンテナンスすれば100年以上、現役で使用することが出来る。

RC造は、1880~90年代にドイツのケーネンやフランスのアネビクらによって技術的に確立されたのだが、アネビクが1905年に架設したRC構造の橋はベルギーのオラルス川に現存している。住居用のマンションは、フランスのオーギュスト・ペレが1902年に設計したものが、パリにて現存している。

わが国でも1903年から橋や軍港内の施設などでRC造が使われ始めるが、建物に使用したのは1911年の三井物産横浜支店が最初であり、この建物は今でも現役で使用されている。

また、最近世界遺産に登録された長崎県端島(通称:軍艦島)のアパートは、日本で最初のRC造住宅で1916年に建てられている。こちらは無人島になって既に35年。海に囲まれ潮風を受け続けても倒壊していない。

 

RC造の歴史は木造と比べて短いため、法隆寺のように1300年も長持ちするかは分からないが、メンテナンスをしっかりすれば、たった47年で終わってしまうという事は無いのだ。

 

まとめ

マンションには、RC造とSRC造の2つの構造があり、それぞれに特徴はあるが、耐久性にほとんど違いがないため、法定耐用年数はどちらも47年になる。

しかし47年で寿命を迎えるわけではなく、しっかりとメンテナンスを行えば、100年以上長持ちすると言われている。

 

マンションは資産となるため、取得年度に全額を経費として計上するのではなく、減価償却をして利用可能年数に按分していく。

減価償却は建物部分のみ認められており、土地部分は償却できない。

 

減価償却の具体的な方法は、次の通りだ。

  1. 売買価格から、土地部分と建物部分を按分する
  2. 建物部分を建物本体と建物設備に分ける
  3. 築年数から法定耐用年数と償却率を調べる。
  4. 減価償却費を計算する。

 

減価償却費を大きく取ることが出来ると、所得を圧縮することが出来るので節税に繋がるが、売却する時に裏目に出ることがある。

投資戦略を立てる上で、減価償却をどのように扱うかは非常に大切なポイントとなるため、知識を身に付けることを怠らないでほしい。




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