不動産投資はどうやって始めたら良いのか?

始める前に最低限やっておくべきことは?

 

「不労所得が欲しい」「将来の備えとして」「営業の電話が掛かってきたから…」。

不動産投資に興味を持つきっかけは人それぞれだが、“不動産”は株やFXなどの投資と比べて敷居が高く、初心者はつい尻込みしてしまう。

投資金額がどうしても大きくなるため、借金を抱えるのも不安だし、難しい投資と思われがちだが、不動産投資の仕組みは意外とシンプルで正しい知識さえ身に付ければ、成功の確率は高い。

だからと言って、ポイントを押さえず安易に始めると、手痛いしっぺ返しを食らう事もあり、いい加減な気持ちで参入するのは危険だ。

 

ここでは、不動産投資の初心者が心得ておくべき仕組みや基礎知識をどのように身に付けていくか、解説していく。

 

不動産投資の始め方!初心者から1棟を購入するには勉強が必要!

不動産投資を始める前に、まずはその仕組みを理解し、メリットとデメリットを整理しておく必要がある。

不動産投資で利益を得るには、次の2つの方法がある。

  • 1. インカムゲイン
  • 2. キャピタルゲイン

 

1.インカムゲイン

インカムゲインとは、銀行預金の利息や株式の配当金などのことで、不動産投資では「家賃収入」がそれに相当する。

銀行金利よりも利回りが良く、株式のように乱高下することが無いので、長期的に安定収入が見込める点が不動産投資の最大の長所とも言えるだろう。

インカムゲインは次のような収支構造から成っている。

税引前手残りキャッシュフロー = 
   満室時の家賃収入×空室率-(返済(元本+金利)+運用コスト)

 

常に満室という事はあり得ないので、通常10~20%の空室率を見積もっておく。

運用コストには、管理費・修繕積立金、修繕費、集金代行手数料、設備交換費用、固定資産税などが含まれる。

築古の物件は、利回りは良いが修繕費が高くつくこともある。

2.キャピタルゲイン

キャピタルゲインとは売却益を指す。安い時に購入した物件を値上がりした時に売却し、その差額で利益を得る方法で、バブル時代に非常に流行った。

オリンピックを前に再び不動産が値上がりするかもしれない、という期待もあるが、値上がりしているのは都心の一部のみで、バブル再来というほど過熱していない。

土地価格が据え置きなら、建物価格は築年数と共に下がっていくのだから、「いわく付きの物件を土地値以下の値段で購入した」などのケースを除いて、キャピタルゲインは通常出ないものと思った方が良い。

初心者はいきなりキャピタルゲインを狙わず、インカムゲインを得ることに集中するべきだろう。

不動産投資のメリット・デメリット

メリットとデメリットを整理し、自分にとってデメリットの方が多いと感じるのであれば、投資を見合わせる勇気も必要だ。

○メリット

  • 不労所得を得られる
  • 自分の判断で投資効率やリスクをコントロールできる
  • 生命保険代わりになる
  • 所得税の節税になる
  • 相続税の節税になる

 

不労所得を得られるのはもちろんだが、不動産投資は投資効率やリスク管理を自らの判断で行うことができる。それが成功に直結すれば、株式投資などでは味わう事の出来ない満足感を得られる。

また、物件を購入する際に「団体信用生命保険」に加入してローンを組むので、万が一自分が死亡したり高度障害を負った際に、保険金でローンを完済することが出来る。

サラリーマンを続けながら投資を行うのであれば、給与所得と不動産で得た所得を合算して確定申告を行う。面倒な作業ではあるが、減価償却で不動産所得をマイナスにすることが出来れば、給与から引かれた所得税や住民税が還付され節税になる。

自分が死んだ時も、遺族に現金で残すより不動産で残した方が相続税を計算する上での評価額が低くなるため、節税に繋がる。

○デメリット

  • まとまったお金が必要になるので借金することになる
  • 万が一失敗した時にリカバリーするのが難しい
  • 流動性が低く売却に時間がかかる
  • 税金が掛かる
  • 空室になると家賃収入が入らない
  • 滞納リスクがある
  • 物件価格が下落するリスクがある
  • 家賃が下落し、思い通りの収益を上げられない
  • 地震や火災などのリスク
  • 管理会社が倒産してしまうリスク・・・など

 

ざっと挙げただけで、これだけのデメリットがある。

地方の中古ワンルームマンションを1室だけなら現金で購入できるかもしれないが、都心で購入するのなら、千万単位となる。区分で無く1棟購入となれば億単位となり、借入は必須だ。

順調に家賃収入を得られたとしても、借入金の返済・利息の支払いでそれ程利益が出ない事もある。まして空室や滞納などで思うように収入が入らない場合、返済できなくなる可能性もある。

売却して一括返済しようにも、物件価格が下落して債務超過になっていれば全額返済できないし、流動性が低いため、売却したい時にすぐに売れるとは限らない。

 

不動産投資は、「いかにリスクをコントロールできるか」がカギとなる。

そのためには、潜んでいるリスクの種類とその対処法を事前に学ぶことが重要だ。

学ぶ方法として、

  • 不動産投資セミナーに通う
  • 書籍を読み込む
  • 投資家のブログを参考にする・・・。

 

などが挙げられる。

 

不動産投資の初心者が陥る失敗事例とは?

ここでは、不動産投資の初心者が陥る失敗事例からいくつかピックアップしていく。

新築区分などの失敗

業者からの勧誘で不動産投資を始めた人に多いのが、新築の区分マンションの購入だ。

新築マンションにはチラシなどの広告費が上乗せされているため、物件価格が高くなる。これを「新築プレミア」と呼び、上乗せ幅は相場の2~3割ほどだと言われている。

新築だから家賃も高めに設定できるという説明を受けるが、それは最初の入居者だけに適用される。その入居者が退去してしまったら、周辺の中古物件との競争にさらされため、家賃を下げざるをえない。

また、下げなければならないのは家賃だけではない。売却する時にも中古物件として扱われるため、かなりの下落率になる。

信用毀損(債務超過)

サラリーマンの場合、評価額が低くてキャッシュフローの少ない物件でも、本人の属性が高ければ最初の1件目は融資が受けられることが多い。

しかし2件目の購入を考えた時、この最初の1件目が足かせになる。既に属性による与信を使い切っているため、新たな融資は受けられない。

収益評価や積算評価の低い物件を最初に購入してしまったために起こる信用毀損だ。

また、利回りの良さに惹かれて築古の木造アパートなどに飛びついた人も要注意だ。法定耐用年数を超えてもまだ残債が残っている場合、信用毀損とみなされ、次回から融資が受けられなくなることが多い。

新たな融資を受けられないと、投資拡大のスピードが著しく低下する。

空室による手出し

初心者の場合、取り敢えず1部屋だけ購入して様子を見ようと思う方も多い。しかし1部屋だけ区分所有している場合、空室になると家賃収入が0になってしまう。

家賃収入が無くても返済や管理費・修繕積立金は支払わなければならないので、手出しになる。空室が長引けば長引くほど、赤字幅が増えてくる。

それを避けるためにサブリース契約を結ぶという考えもあるが、契約見直しの時に保証額が減額されたり、一方的に契約を破棄されることもある。

 

ここで挙げた失敗はほんの一例であり、物件の構造や地域ならではの失敗もある。

様々な失敗例を見て、不動産投資のリスクやデメリット部分についてきちんと把握し、納得できたのであれば、購入に向けての勉強を始めよう。

 

戦略の策定

 

不動産投資に参入する時に一番大切なのが「投資戦略」だ。投資戦略とは簡単にいえば「目標」のことで、不動産投資で何を目指すのか、ということだ。

その点をハッキリさせず行き当たりばったりで購入してしまうと、その後身動きが取れなくなる。

 

投資戦力を立てる上で、特に重要となるのが次の2つだ。

  1. どこまで拡大したいのか
  2. 今の自分に融資してくれる銀行はあるのか

 

最初に最終目標をある程度定めないと、どこに向かってよいのか分からなくなる。

5年後に年間100万円の収益を得たい人と1,000万円の収益を得たい人では、購入すべき物件や拡大するタイミングなど、行動が変わってくるのは当然だ。

そして、現時点での自分の属性を正しく把握して、どこの銀行からどのくらい融資を受けられるのか知ることも欠かせない。いくら目標を大きく設定しても、融資してくれる銀行が無ければ購入できる物件が限られてくるからだ。

 

この2点をしっかり押さえたら、より具体的に絞り込んでいく。

  • どのエリアに購入するか
  • どれくらいの利回り物件を購入するか
  • どの構造の物件を購入するか
  • 自己資金をどれくらい入れるか
  • どの時点で売却するか

 

物件の選別

戦略が決まったら、それに合わせて物件を購入していく。その時に、目先の利益に惑わされて、戦略から外れた物件を購入してはいけない。

 

例えば、短期間で事業を拡大する戦略を取るつもりだったのに、高利回りの築古木造アパートを1棟購入したとする。

キャッシュフロー的には満足できるかもしれないが、次の物件を購入しようとした時に、このアパートのせいで信用毀損になり融資にブレーキが掛かる可能性がある。

築古の木造物件がダメだという訳ではない。ボロボロのアパートをリフォームで蘇らせ高値で売って収益を得る、という戦略を取っているのなら、最適の物件になるだろう。

投資物件は全国に何万もあり目移りしてしまうが、投資戦略に合わないものには、最初に除外することをお勧めする。

融資打診

融資を断られてしまったら、不動産投資を始めることは出来ない。中には融資してくれる銀行に合わせて、物件選びをしている投資家もいる。

融資打診は不動産業者経由で行う事も多いが、より条件のよい融資を引き出すためには自分で開拓する必要もある。

金融機関によって融資に対する姿勢が違うので、自分の属性や希望融資金額と照らし合わせて、的を絞っていく。

金融機関別の特徴

都市銀行(メガバンク)

全国エリアをカバーしており、金利が低いのが特徴。高所得者や資産家向けの融資が中心で、個人投資家への融資はそれ程積極的ではない。

地方銀行、信用金庫

地元エリアへの融資を原則としており、金利は都市銀行よりも高め。個人の不動産投資家へは割と積極的に融資している。

日本政策金融金庫

小規模事業者向けに比較的低金利で融資が受けられる。銀行に断られた物件でも日本政策金融公庫では審査が通ることがある。ただし審査に時間が掛かるのが難点。

ノンバンク

銀行が融資してくれない物件でもスピーディに融資が通ることが多い。しかし金利が高い。

 

売買契約

融資の見通しが立ったら、次はいよいよ売買契約だ。

売買契約書には、売買代金や引き渡し時期など最低限記載しなければならない事に加え、契約違反した場合の約束事を書面にしたものだ。

初心者の場合、契約書に自分に不利になるような内容や、嘘の記載が書いてあるとは思わないので、しっかり読み込まず、仲介業者の言いなりに印鑑を押してしまいがちである。

しかし、この契約の段階で失敗したり、騙されてしまう方がいることを心得ておかなければならない。内容を細かくチェックして、不利な条件で契約しないように細心の注意を払う必要がある。

契約書を交わす前に次の点を確認しておくこと。

  • レントロール
  • 出費一覧
  • 付帯契約の有無
  • 修繕履歴
  • 売買代金、手付金の金額と支払期日
  • 引き渡し日(その日までに残金が支払えるか)
  • 売買面積が公募か実測か
  • 瑕疵担保責任の範囲
  • 融資特約の有無
  • 境界坑の確認
  • 違約金額・・・など

 

特に高額物件を購入する時に注意してほしいのが、融資特約が付いているかどうかだ。

融資特約とは、融資が実行されなかった場合に契約を白紙撤回できる、という特約だ。

  • 特約が付いているかどうか
  • 期限はいつまでになっているか

 

この2点は必ず確認してほしい。

万が一融資がキャンセルとなった場合、この特約が入っていないと手付金を放棄しなければならない自体になる。

 

オーナーデビュー

売買契約が済んだら、ついにオーナーデビューとなる。管理会社の選定、入居促進、空き室対策、入所者への対応・・・。

不動産投資は不労所得と言われるが、オーナーのやるべきことは以外にたくさんある。管理会社に全てを任せておけば安泰という訳にはいかないのだ。

常に満室にし、入居者に長く住んでもらうにはどうしたら良いのか。物件を購入した後は、運営について勉強を続けなければならない。

 

出口戦略

購入した不動産を、いつ、どのように売却するのかは非常に重要になる。

満室で一定の利益が出ていれば売却する必要など無いと思うだろうが、築年数の経過によりリスクが高まる前に売却し、利益を確定することは頭に入れておくべきだ。

イメージ通りの収益を上げられない物件は、損失が広がらないうちに売却を考えた方が良いだろう。

 

売却と一口にいっても、そのままの状態で売却するのか、一度更地にしてから売却するのかなど、様々な方法がある。

また、次のようなタイミングも売却を考える時期である。

  • 大規模修繕が必要となる直前
  • 空室がすぐに埋まらなくなってきたと感じた時
  • 大学の移転など、環境が大きく変わる前

 

物件が置かれた状況を正確に把握し、常にリスクを考慮しておく必要がある。

 

初心者がセミナーに行く際の心構え

不動産投資に役立つ情報を手っ取り早く手に入れるのなら、業者が行っている「不動産投資セミナー」に参加するのが良いだろう。

友人や知人の紹介でセミナーに参加することもあるだろうが、不動産投資ポータルサイトやセミナー専用ポータルサイトなどを利用して探すのが一般的だ。

しかし、セミナーの数は多く玉石混合状態になっており、全てのセミナーの質が優れているわけではない。中には参加後に強引なセールスを掛けてくるようなセミナーもあるので、要注意だ。

セミナーに行く前に、自分の目的を確認し、興味の無いセールスははっきりと断る勇気を持つことが大切だ。

 

初心者におすすめの本は?

不動産投資の勉強に打ってつけなのが不動産投資について解説している書籍だろう。物件購入に踏み切る前に、最低限として次に示すくらいの読書をお勧めする。

  • 入門書・・・3~4冊読んでおき、不動産に関する原理原則を徹底的に頭に入れておく
  • ○○手法など投資法について記載された本・・・6冊程読んで、自分の投資戦略を固めていく
  • 銀行融資について書かれた本・・・5冊程読む

 

不動産投資で自分の身を守るためには「知識武装」するしかない。

本を読んでイメージが形になってきてから行動に移すと、思いのほかスムーズに物事が動いていく。

 

初心者におすすめのブログとは?

本の他にも投資家が発信しているブログも参考になる。成功例や失敗例も含め、生の声が聞こえるとともに、最新の情報に触れることも出来る。

ブログを選ぶ時は、どのような情報発信をしているのか見極めることが大切だ。

同じようなジャンルのものばかり読むのではなく、「融資」「リフォーム」「出口」など、各ジャンルごとに2~3人ブックマークしておくと良いだろう。

ただし、ただの日記になってしまっているようなブログもあるので、時間の無駄になるような物は除外すること。

>>不動産投資初心者向けのブログ10選
 

まとめ

不動産投資に興味はあっても、なかなか初めの一歩を踏み出せない投資家は多い。しかし業者の言いなりになって、いきなり物件を購入するような始め方はお勧めできない。

まずは、不動産投資の仕組みやメリット・デメリットについて勉強していこう。

 

勉強の流れとしては、

  1. 不動産投資の失敗例から、そのリスクと対処法を知る。
  2. 投資戦略を立てる
  3. 物件を選ぶ
  4. 融資の打診をする
  5. 売買契約を結ぶ
  6. オーナーとなって運営する
  7. 売却する

 

不動産投資は投資金額が大きいため、失敗するとダメージが大きい。

上で挙げたそれぞれの項目について勉強し、知識武装することでしか自分の身を守ることは出来ない。

セミナーや本などを上手に利用して、失敗の芽を摘んでいってほしい。




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