原価法って何?どうやって計算するの?

積算評価は高ければ高いほど良いのか?

 

不動産投資家と銀行では物件を評価する時に立ち位置が違う。投資家はその物件が「いくら稼いでくれるか」という視点で評価しているのに対して、銀行は「その物件がいくらで売れるか」という視点から評価している。

銀行が物件を評価する際に用いられる評価法が、「原価法(積算評価)」だ。今後、融資を受けながら事業を拡大するつもりなら、この原価法は必ず理解しておく必要がある。

 

ここでは、原価法の意味や積算評価の算出方法、積算評価の高い物件のメリット・デメリットなどについて解説していく。基本的な計算は自分で出来るようにし、物件選びの際に役立ててもらいたい。

 

不動産評価で使われる原価法(積算評価)とは?

原価法とは?

不動産鑑定評価方法の一つで、次のような考えに基づいて算出する。

  1. 同様の不動産を再び購入すると仮定した場合に必要な“原価”(再調達費用)はいくらか
  2. その評価額から建物の劣化や設備が陳腐化した分を減額したら、いくらになるのか

 

この考えによって算出された金額が、「積算評価」や「積算価格」と呼ばれるもので、次の計算式で算出される。

積算評価 = 再調達費用 - 減価額

 

減価法を用いる場合、再調達費用をどこまで正確に算出できるかがカギとなり、土地部分と建物部分に分けてそれぞれ計算する。

なので実際に計算する際は、次の計算式を用いる。

積算評価 = 土地の評価額 + 建物の評価額

 

積算評価はその物件の担保価値と直結しているため、融資を受ける際に非常に重要となる。

土地部分と建物部分に分けて計算方法を解説していくので、是非覚えておいてほしい。

土地の計算方法

一つの土地には、異なる4つの価格がある。

  1. 公示価格
  2. 路線価
  3. 固定資産税評価額
  4. 実際の取引価格

 

実際の取引価格は売主と買主の同意で決まるものなので説明は省くが、上の3つの違いはきちんと押さえておく必要がある。

 公示価格
  • 不動産取引の指標となる価格
  • 国土交通省が毎年1月1日時点の価格を発表する
  • 市場の需要動向を反映した中立的な価格と言われている
 路線価
  • 相続税や贈与税を算定する時に基準とする価格
  • 宅地が面する道路に対して設定されるため、
    個々の土地の個別性は反映されない
  • 公示価格の8割とされている
 固定資産税評価額
  • 各市町村が固定資産税を算定する時に基準とする価格
  • 土地の固定資産税評価額は、個々の個別性を反映している
  • 建物の工程資産税評価額は、画一的に減価償却した価格となっている
  • 公示価格の7割とされている

 

積算評価の土地部分を計算する際は、「路線価」を用いて次の計算式で計算する。

土地の評価額 = 前面の路線価 x 土地の㎡数

 

路線価は「全国地価マップ」を利用すれば簡単に調べることが出来る。

建物の計算方法

建物の評価額は次の計算式を用いる。

建物の評価額 = 建物の延べ床面積 x 再調達価格 x (残存年数 / 法定耐用年数)

 

再調達価格とは、建物を再度新築するために必要な金額のことで、構造別に金額が異なる。

銀行間で幅があるが、1㎡当りの目安の金額はこちらになる。

 木造・軽量鉄骨
  • 15万円(12~15万円)
 重量鉄骨
  • 18万円(15~18万円)
 RC・SRC
  • 19万円(18~20万円)

 

構造別の法定耐用年数は、下記の通りとなる。

 木造 22年
 S造(鉄骨) 3mm以下 19年
3mm~4mm 27年
4mm以上 34年
 RC・SRC 47年

 

築古の木造や軽量鉄骨は法定耐用年数が短いため、建物の積算価格がどうしても低くなる。「投資を拡大したいのなら木造ではなくRC造を狙え」と言われるのはそのためだ。

土地と建物の評価額の計算は、上記の計算式が基礎となるので必ず覚えてほしい。

 

なぜ銀行は原価法(積算価格)で評価するのか?

銀行が原価法に拘るのには理由がある。不動産投資には常に“貸し倒れリスク”が伴うからだ。

銀行は投資家が債務不履行になった時、その物件を現金化して資金回収しなければならない。そのため、その物件の担保価値がどれくらいなのか、売却金額で融資金の返済が可能なのか、という点を非常に重視する。

投資家と銀行は最初から立ち位置が違う。収益率が良くても積算価格の低い物件は、どうしても銀行からは敬遠されてしまうのだ。

原価法(積算評価)の注意点とは?

 

基本の計算式で積算評価を算出しても、期待通りの融資額が下りない事がある。土地の形状や用途によって掛目(かけめ)が入るからだ。

掛目とは、「担保などに対し時価よりも低く評価する比率」のことで、銀行によって違いはあるが、次のような項目に掛目を入れ価格調整する。

  • 用途地域
  • 土地の形状
  • 固定資産税評価

用途地域による価格調整

その土地の用途地域によって掛目が変わってくる。

土地活用の制限が無い商業地域はプラスの評価になるが、工業地域ではかなりのマイナス評価となる。

 用途地域  掛目
 商業地域  +10%
 第一種・第二種住居地域、準住居地域  ±0
 第一種・第二種中高層住居専用地域  -10%
 第一種・第二種低層住居専用地域  -20%
 準工業地域、工業地域  -30%
 工業専用地域  アパート、マンションは建てられない

土地の形状による価格調整

利用価値の高い角地はプラスの評価を受け、引き込み道路などで道路と接面する旗竿地などはマイナス評価となる。他にも南向きかどうか、長方形の長い辺が道路と接しているかなど、細かく評価していく。

個々の土地の形状により評価は異なるが、掛目は+30%~-50%までと幅広い。

固定資産税評価

路線価を用いず、固定資産税評価を使って積算評価を算出する方法だ。固定資産税評価は公示価格の7割と、路線価よりも低いため、積算評価も低く算出されるからだ。

最初から固定資産税評価で積算評価を算出してしまう銀行も多い。固定資産税価格での評価額を知りたければ、物件を問い合わせる際に業者に聞くと手に入る。

 

原価法(積算評価)の計算例

ここでは具体的な積算評価を計算していく。以下の条件では積算評価はいくらになるだろうか。

  • 土地500㎡
  • 第一種住居地域
  • RC構造
  • 築20年
  • 延べ床面積1,000㎡

 

7Fの物件(前面道路の評価が260C)で検討する。

基本の計算方法では、

 土地 ・・・ 500㎡ × 26万円 = 1億3,000万円

 建物 ・・・ 1,000㎡ × 19万円 × ( 47年 - 20年 ) / 47年 = 1億914万円

 (C=1,000円である)

 

積算評価は、2億3,914万円となる。

これを路線価ではなく、固定資産税評価(226,000円)で算出し直してみると、土地の評価額が1億1,300万円となり、1,700万円も積算評価が低くなる。

 

積算評価の高い物件のメリットとは?

積算評価の高い物件にはどのようなメリットがあるのだろうか。

  1. 大手銀行や地銀の融資が出やすい
  2. 大手や地銀の低金利での借入ができる
  3. 満額融資が出やすい

1.大手銀行や地銀の融資が出やすい

融資の通りやすさは、

 ノンバンク > 日本政策金融公庫 > 信金・信組 > 地方銀行 > 大手銀行

 

となり、何の実績も無い個人投資家が大手銀行から融資を引き出すのは難しい。しかし積算評価が高ければ、大手銀行や地銀の融資が出る可能性が高くなる。

ハードルが高い都市銀行の融資が通れば、それ自体が信用となり、事業拡大に弾みが付く。

2.大手や地銀の低金利での借入ができる

政府系金融機関を除き、融資のハードルが高ければ高いほど、低金利での借り入れが可能になる。

ノンバンクの金利が4~5%に対して、大手や地銀なら2%台、メガバンクなら1%台で融資を受けられることもあり、その差は歴然だ。

3.満額融資が出やすい

融資額は積算評価の7割というのが一般的だが、積算評価の高い物件で、尚且つ本人の属性が高ければ、満額融資が出やすくなる。

フルローンやオーバーローンが叶えば、投資スピードが速まり、目標達成までの時間が短縮できる。

 

積算評価の高い物件のデメリットとは?

積算評価の高い物件は融資面でのメリットが大きいため、「高いに越したことは無い」、と思われがちだが、次のようなデメリットも考えられる。

  1. 税金が高い
  2. 競合(ライバル投資家)が多い
  3. 収益力とは関係ない

1.税金が高い

積算評価の高い物件は、そのほとんどが路線価も高く資産価値が高い。当然、固定資産税も高くなる。

2.競合(ライバル投資家)が多い

レバレッジを効かせて事業を拡大しよう思っている投資家は多く、積算評価の高い物件はライバルも狙っている。物件について調べている間に売却済みとなってしまう事もあるし、値引き交渉もしづらい。

3.収益力とは関係ない

積算評価=収益力ではない、ということを忘れてはならない。積算評価が高い事によるメリットは、あくまでも融資が受けやすいという点であり、必ずしも高い利回りを約束してくれるものではない。

積算評価がいくら高くても、周囲に似たような物件が多数あったり、治安が悪いような地域だった場合、家賃を下げなければ部屋が埋まらない可能性もある。収益が上がらないのに高額なローンを組んでいれば、最悪の場合破綻しかねない。

積算評価ばかりに目を向けると本末転倒な結果になる事もあるので、物件は原価法だけで評価してはいけない。

 

まとめ

不動産に投資をするなら、利回りが良く収益性の高い物件を購入したいと思うが、自分がいくら良いと思った物件でも銀行が融資をしてくれるとは限らない。

投資家と銀行では物件を見る視点が違い、銀行は物件を原価法で評価しているためだ。

 

原価法で算出される積算評価は、土地と建物を分けて次のように計算する。

 土地の評価額 = 前面の路線価 × 土地の㎡数

 建物の評価額 = 建物の延べ床面積 × 再調達価格 × ( 残存年数 / 法定耐用年数 )

 

積算評価の高い物件は、個人投資家にはハードルの高い大手銀行や地方銀行から融資を受けられる可能性が高くなる。金利も低く満額融資も出やすいため、事業拡大のスピードが速くなるメリットがある。

しかし、その分固定資産税が高くなったり、ライバルが多く欲しい物件が手に入らないというデメリットもある。

また、積算評価ばかりに気を取られて収益力のない物件を購入してしまい、最悪の場合破綻してしまうなど、本末転倒な結果になることもある。

原価法以外の評価法も身に付け、バランス良く物件を選ぶことが重要になる。

 




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