取引事例比較法はどんな評価法なのか?

不動産価格はどのように決まっていくのか?

 

不動産の価格は売主が自由に決めて良いものではあるが、やはり相場というものがある。その価格が妥当なものなのかを評価する方法の一つに、「取引事例比較法」と呼ばれる評価法がある。

取引事例比較法の考え方は非常にシンプルなのだが、初めて聞くような用語がいくつも使われているため、投資初心者はその用語の意味をしっかり把握する必要がある。

 

ここでは取引事例比較法の考え方や、実際にどのような手順で評価していくのかなどについて、初心者にも分かりやすくと解説していく。時点修正や事情補正などの、聞き慣れない用語についても併せて解説するので、ぜひ覚えておいてほしい。

 

取引事例比較法とは?

取引事例比較法とは、不動産の価格を求める鑑定評価方法の一つであり、中古住宅の評価法として一般的な手法である。

対象物件と、過去に実際に行われた成約事例(取引価格)を比較しながら、その価格が妥当なのかを評価していく。相場よりも安い価格であれば掘り出し物件であることが分かるし、高い物件であれば根拠を示して売主に値下げ要求を行える。

この時に最も重要なのが“どのような成約事例を選択するか”という点である。近隣地域や同一需給圏内の類似地域から選択するのが原則となる。

 

例えば、対象物件が東京都練馬区の物件なら、練馬区内の出来るだけ近隣地域から選ぶ。また、渋谷駅付近のビルの評価額を出す時は、同じターミナル駅の新宿や池袋の物件と比較する。

そして、出来るだけ多くの取引事例を収集し、その中から、売り急いだ物件や投機的な物件などを排除するなどして、比較の対象として相応しい物件を選択していく。

取引事例比較法は、その考え方が分かりやすいためよく利用されるが、対象不動産の特徴をよく理解していないと、不適切な比較を行ってしまうことがある。

また、評価する鑑定士の感覚的な判断になりやすいため、評価内容に差が生じることもある。

 

時点修正とは?

不動産価格は常に一定ではない。時勢によって上昇したり下降したりを繰り返している。 選択した取引事例が過去の事例だった場合、その取引が行われた時の経済状況はどうだったのか、などについて検証する必要がある。

そして今、その取引を行ったら、いくらになるのか?という視点で修正していく。その修正作業の事を「時点修正」と呼ぶ。

時点修正の方法は、両時点間の不動産価格水準の変動率を求めて、事例の価格に乗じる方法が一般的だ。

時点修正はあくまでも現在市場での適正な価格への修正作業であり、市場の状況によって価値が上昇する事もあるし下がることもある。

 

事情補正とは?

 

不動産は、売り急ぎや買い急ぎなどの特別な事情によって、通常ではありえない価格で売買されることがある。例えば、所有者の破産や、競売市場経由、投機目的などの事例が該当する。

このような事例は先に排除するのだが、合理的に補正できるのであれば補正した上で比較対象に含めることも可能だ。この補正の事を「事情補正」と呼ぶ。

 

事情補正は鑑定士が行うのだが、そこに恣意性が入る可能性が無いとは言い切れない。売り急ぎで相場よりも安く売ってしまった取引事例が見つかったとしても、それが1割安いのか2割安いのかは、よく分からないからだ。

事情補正は必ずしも正確な補正が出来るわけではない、ということを頭の隅に入れておいた方が良いだろう。

 

比準価格とは?

取引事例比較法で求められた試算価格のことを「比準価格」と呼ぶ。

ちなみに、原価法や収益還元法で求められた試算価格にもそれぞれ呼び名がある。

評価法 試算価格の呼び名
取引事例比較法 批准価格
原価法 積算価格
収益還元法 収益価格

 

地域要因と個別的要因とは?

取引事例が近隣地域と異なる場合は、「地域要因」の比較を行う。また、地域に関係なくその不動産の「個別的要因」も比較する。

地域要因とは?

その地域の格差に関する要因のことで、具体的には次のような項目について比較する。

  • 街路の幅員、構造等の状態
  • 都心との距離及び交通施設の状態
  • 上下水道、ガス等の供給・処理施設の状態
  • 情報通信基盤の整備の状態
  • 汚水処理場等の嫌悪施設等の有無
  • 洪水、地すべり等の災害の発生の危険性
  • 騒音、大気の汚染、土壌汚染等の公害の発生の程度
  • 住宅、生垣、街路修景等の街並みの状態
  • 眺望、景観等の自然的環境の良否
  • 土地利用に関する計画及び規制の状態
  • 行政の健全性

 

個別的要因とは?

対象物件と取引事例について、土地、建物別に次のような項目について比較する。

土地部分

  • 地勢、地質、地盤等
  • 日照、通風及び乾湿
  • 間口、奥行、形状等
  • 角地、その他の接面街路との関係
  • 接面街路の幅員
  • 接面街路が市道か私道か
  • 交通施設との距離
  • 商業施設との距離
  • 公共施設、公益的施設との距離
  • 隣接不動産等周囲の状態

 建物部分

  • 建築の年次
  • 面積、高さ、構造、材質など
  • 設計、設備等の機能性
  • 施工の質と量
  • 耐震性、耐火性など建物の性能
  • 維持管理の状態

 

地域要因も個別的要因も、比較項目は増やそうと思えば無限に増やせる。

また、どの項目を重視するかで、比準価格は異なってくる。

 

取引事例はどうやって決まるの?

まずは過去の成約事例の収集から始めなければならない。

それには宅地建物取引業者(不動産業者)に、指定流通機構(REINS/レインズ)の成約事例データベースをチェックしてもらう必要がある。

レインズのデータベースは宅建業者しか利用できないからだ。

 

では、宅建業者から“近隣地域の過去1年間の取引事例”10件を提示されたとする。この時点では、価格や専有面積、構造、間取り、築年月などの数値はバラバラだ。

その後の手順は次のようになる。

 1.対象物件と同じ条件の物件を選択する

対象物件が区分マンションだったら、区分マンションのみを抜き出す。

 2.必要に応じて「時点修正」や「事情補正」を行う

過去1年の取引を抜き出しているので、ここでは時点修正は必要ないだろう。

取引事例の中に対象物件とあまりにも条件が異なるものがあれば除外し、補正できそうなものは補正する。

 3.目的に合わせて比較する項目を選ぶ

用途地域や構造、最寄駅までの距離、築年数など、自分が重視する項目を選んで比較する。

 4.㎡単価を求め、面積を掛ける

最初にピックアップした10件から、様々な条件で除外していき7件残ったとする。

その7件の平均㎡単価を算出し、対象物件の専有面積を掛ける。

算出された価格が比準価格となる。

 

まとめ

取引事例比較法は不動産価格を求める鑑定評価法の一つであり、対象物件と、過去に実際に行われた成約事例を比較しながら価格を算出する方法だ。

 

算出された価格を比準価格と呼ぶ。比準価格は次の要領で算出する。

  1. 宅建業社にレインズのデータベースから対象物件の“近隣”から“最近”の取引事例を収集してもらう
  2. その中から同じ条件の取引を選択する
  3. 必要に応じて時点修正や事情補正を行う
  4. 目的に応じて比較する項目を選択する(地域要因、個別的要因の比較)
  5. 取引事例の平均㎡単価を算出し、対象物件の専有面積を掛ける

 

重要なのは、どのような成約事例を選択するか、という点である。

対象物件の“近隣”から“最近”の取引事例を選択するのがベストだが、事例が無ければ範囲を広げて出来るだけ多くの事例を収集した方が良い。

その場合は、時点修正や事情補正をきちんと行えば、より正確な数字になるだろう。

 

地域要因や個別的要因のどの項目を選択して比較するかによって、価格に差が出ることがある。

自分が何を重視して物件を探しているのか、正しく把握することも大切だ。




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