不動産投資でキャッシュフローが重要なのはなぜなのか?

キャッシュフローはどのように計算するのか?

 

不動産投資で失敗している人の共通点に「キャッシュフローへの理解不足」が挙げられる。帳簿上では十分利益が出ているのに、手持ち現金がショートして破綻してしまうのだ。

今後不動産投資を拡大し、健全な経営を目指すのであれば、キャッシュフローの意味や計算方法について熟知する必要があるだろう。

 

ここでは、不動産投資におけるキャッシュフローとは何なのか、具体的にどのように計算するのか、などついて詳しく解説していく。

物件を選別する上で、キャッシュフローへの理解はもはや不可欠である。この機会にぜひ理解を深めてほしい。

 

不動産投資のキャッシュフローとは?意味は?

キャッシュフローとは文字通り、現金の流れ」を意味する言葉だ。確定申告の際の決算書とは全く別の計算処理をしていることを、初めに理解しておこう。

帳簿上では利益が潤沢に出ているにも関わらず、手元に現金がなくローンの返済が滞ってしまう事があるのは、キャッシュフローをよく理解していないためだ。

 

帳簿上の利益とキャッシュフローが一致しないのには、次のような理由がある。

  1. 帳簿には、現金の出費が伴わない減価償却費が記載されている
  2. ローン返済額のうち、経費計上できるのは支払利息だけ

1.帳簿には、現金の出費が伴わない減価償却費が記載されている

不動産を購入した際に、「資産」にあたる“建物”や“設備”は経費として一括計上せず、耐用年数に応じて按分される。毎年かなりの金額が経費計上されるが、実際に現金の支出は無いため手持ち現金とズレが生じる。

現金が減らない為、キャッシュフロー的にはプラスの要因になる。

2.ローン返済額のうち、経費計上できるのは支払利息だけ

ローンの返済額のうち元本部分は「負債」にあたるため、経費計上できるのは支払利息部分のみになる。返済して手持ち現金が減っても、元本部分は利益に影響を与えない。

帳簿に反映していないのに現金が減ってしまうため、キャッシュフロー的にはマイナス要因になる。

 

減価償却の償却期間が終わってしまうと、ローンの元金返済額が減価償却費を上回るデッドクロス状態に陥るのだが、この時に手元に現金が無いと破綻してしまう。

そのために、帳簿とは別にキャッシュフローの計算をして、常に危機管理しておく必要があるのだ。

また高利回りにも係わらず、全く手元に現金が残らない物件がある。返済比率の高い物件に多いのだが、購入前にキャッシュフロー計算をしておけば、そのような物件に手を出すことも無くなる。

 

正しくキャッシュフローを計算するには?

キャッシュフローの計算方法は、ざっくりしたものからかなり緻密なものまで何通りかある。ここでは、素人でも簡単に計算出来て、それでいてかなり精度の高い方法を紹介する。

1.キャッシュフローの計算式

基本となる計算式は次の通り。

 満室時の家賃収入 - 空室率8% - 経費 - 元利均等返済

満室時の家賃収入

レントロールに記載されている想定家賃収入ではなく、出来るだけ周辺相場に合わせて計算する。

空室率

その物件の置かれた状態によって変わってくるが、家賃収入の8%程度を見込んでおく。

経費

次の計算式で計算する。

 経費 = 管理修繕費 + 固定資産税 + エレベーターなど

 

  • 管理修繕費 = 満室時の家賃収入×経費率(9+(築年数÷3))【%】
  • 固定資産税 = 固都税。不明な場合は建物評価×0.012
  • エレベーター = 実費。不明な場合は50万円

 

経費は構造や築年数によって変わる。築年数が古いほど修繕費は掛かるし、エレベーターの有無は維持管理費に大きく影響するからだ。

経費を細かく分析するには時間が掛かる。購入前なら、取り敢えずざっくりとシミュレーションしてみてもよい。

家賃収入の20%くらいが平均だが、エレベーター付きのRCなら25%、木造なら18%ぐらいが妥当だろう。

元利均等返済

ローン返済のシミュレーションサイトを利用して、元金と利息分を把握する。

http://keisan.casio.jp/exec/system/1256183644

 

2.キャッシュフローを計算してみよう

次の物件で実際にキャッシュフローを計算してみる

  • 物件価格 : 1億円(土地:6千万円、建物:4千万円)
  • 構造 : RC築20年
  • 利回り : 10%
  • 金利 : 1%

 

満室時の家賃収入 1,000万円
空室率 (8%) 80万円
経費 管理修繕費 157万円
固定資産税 48万円
エレベーター 50万円
元利均等返済 (返済期間20年) 554万円
キャッシュフロー 111万円

 

この物件の年間キャッシュフローは111万円となる。

 

キャッシュフローの注意点

 

キャッシュフローの金額が大きかったらそれで満足、という訳にはいかない。キャッシュフローはあくまでも概算で計算している。100%正確ではない事を理解しておかなければならない。

物件購入後に突発的な修繕が重なったり、トラブルや事故が原因で入居付けが困難になることもある。そのようなことを考えると、つい厳しく計算をしてしまうのだが、そうなるとキャッシュフローがマイナスになってしまったりして、購入対象となる物件が少なくなってしまう。

甘い数字も良くないが、厳しすぎる数字も考え物である。

 

また、物件を購入する際に、キャッシュフローだけに捉われてしまうのにも注意したい。

キャッシュフロー上ではそれ程よい数字を得られなくても、積算評価が高いため後々財務バランスが改善される物件もある。そのような物件をみすみす見逃さないようにしたい。

 

キャッシュフローを多く残すには?

気に入った物件があってもキャッシュフロー計算をしたらマイナスになってしまった・・・。このような時はその物件の購入を見送った方が良いのだろうか。

キャッシュフローは工夫次第で多く残すことが可能だ。次のような手段を試して再計算してみてほしい。

  • 金利を下げる
  • 融資期間を長くする

1.金利を下げる

金利が少し違うだけで返済額はかなり変わってくる。

例えば、借入金5,000万円、元利均等、返済期間20年の場合、

年間返済額
金利4.5% 3,843,807円
金利1.0% 2,770,765円
差額 1,073,042円

 

年間100万円以上もキャッシュフローに差が出る。

まだ実績が無い間は低金利で貸してくれる金融機関を見つけるのは至難の技だろう。また最初から低金利に拘っていると、なかなかタイミング良く物件を購入することが出来なくなる。

金利が1%下がるとどれくらいキャッシュフローが改善するのかを常に頭に入れておき、途中から借り換えることも視野に入れておくことが大切だ。

2.融資期間を長くする

同じ金額を借りても、融資期間が長ければ長いほど、年間の返済額が少なくて済む。

返済総額は多くなり完済までの期間は長くなるが、手元に残るキャッシュが増えるため、デッドドロスに備えることも出来るし、次の物件への投資に回すことが出来る。

そのためには、どのような物件を購入するかがカギとなる。

 

例えば、築10年の“木造”と“重量鉄骨”と“RC”を比較してみる。

一般的に金融機関は、残存耐用年数分しか融資期間を認めないことが多い。

木造 重量鉄骨 RC
購入価格(借入額) 4,000万円 8,000万円 1億円
法定耐用年数 22年 34年 47年
融資期間 12年 24年 37年
利回り 12% 8% 7%
家賃収入 480万円 640万円 700万円
空室率 38万円 51万円 56万円
経費 86万円(18%) 128万円(20%) 175万円(25%)
元利均等返済
(利率2.0%)
378万円 423万円 385万円
年間キャッシュフロー ▲22万円    38万円 84万円

 

購入価格が手ごろで利回りの良い木造は非常に魅力的だが、融資期間が短くなるためキャッシュフローがマイナスになってしまった。

築古の木造は投資初心者には向かない」というのは、ここから来ているのだ。

借入期間が長期に渡ることに関して懸念を持つ方もいるだろうが、投資初期は手元に現金を少しでも多く残すことに専念した方が良い。

 

金利は高いが融資期間が長いスルガ銀行は?

多くの銀行が躊躇するような物件でも積極的に融資をしてくれることで、投資家の中では知らないものはいない“スルガ銀行”。金利は高いが融資期間が長いことでも有名だ。

キャッシュフローを重視する時、スルガ銀行をどのように評価すべきだろうか。次の物件をスルガと都市銀で比較してみた。

 

○購入価格:1億円、RC造、築30年、利回り8%

スルガ銀行 都市銀行
借入金額 1億円 1億円
金利 4.5% 1.0%
融資期間 35年 17年
家賃収入 800万円 800万円
空室率(8%) 64万円 64万円
経費(25%) 200万円 200万円
元利均等返済 527万円 642万円
年間キャッシュフロー 9万円     ▲106万円
17年後の借入残高 6,964万円 0万円

 

年間キャッシュフローはスルガ銀行に軍配が上がる。都市銀の方は、キャッシュフローがマイナスになってしまったため、この条件で借り入れることは難しいだろう。

都市銀行から借り入れたい場合は、自己資金を入れて借入額を減らすか、より利回りの良い物件や築浅で借入期間を長くできる物件を探し出す必要があるだろう。

 

このように、都市銀行から融資が下りないような物件にも融資が付く点がスルガの魅力なのだが、注意しなければならないのが「借入残高」だ。

スルガから借り入れた場合、17年後にまだ7,000万円近くローンが残っている。17年間で9,000万円近く支払ってきたのに、元本部分は2,680万円しか減っていないのだ。これでは、借入残高がネックになって売却できなくなる可能性もある。

条件のよい物件は競争相手が多く、都市銀の融資を待っている間にライバルに先を越されてしまう事もある。スピード決裁で有名なスルガから融資を受けられれば、他のライバルを蹴散らすことも出来るだろう。

しかし、借入残高がなかなか減らないスルガを利用するのは、出口戦略を考えるとリスクがかなり大きい事を理解しておく必要がある。

 

まとめ

不動産投資では、帳簿上利益が出ているにも関わらず、手元に現金が残らず破綻してしまう事がある。それを防ぐためにも、お金の流れが分かるキャッシュフロー計算を理解しておかなければならない。

キャッシュフローは次の計算式で求めることが出来る。

 満室時の家賃収入 - 空室率8% - 経費 - 元利均等返済

 

この計算式で様々な物件を比較して見ると、低価格で高利回りの物件でも、キャッシュフローがマイナスになってしまう物件があることが分かる。物件の購入前に必ず、計算することをお勧めする。

出来るだけ細かく分析して各項目の数字を入れていきたいが、短時間で物件を見極めたい時は、経費は家賃収入の20%など、ざっくりした数字でだいたいのキャッシュフローを計算する。

このため、キャッシュフロー計算で求められた数字は、100%信頼性があると言い切ることは出来ない。厳しすぎず、甘すぎない数字を入れることを心がける必要がある。

 

キャッシュフローの数字を大きくするためには、毎月の支払額を減らすことが近道となる。具体的には、次の2つだ。

  • 金利を下げる
  • 融資期間を長くする

 

スルガ銀行のような“高金利”“長期融資”が特徴の銀行から借り入れる時は、元本がなかなか減らない事を覚悟した上で借り入れなければならない。

出口戦略も含めて検討する必要があるだろう。




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